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「伝統」を受け継ぐ 「若者」たち
名古屋友禅
櫻井めぐみさん
櫻井めぐみさん
1974年愛知県生まれ、30歳。
専門学校卒後、家業の呉服店に就職。2000年より名古屋友禅伝統工芸士山田英雄氏に師事。名古屋友禅黒紋付協同組合連合会に入会。2003年名古屋友禅黒紋付展に入賞。2004年日本染織作家展に入選。
あらゆるニーズに応えられる『職人』の腕と自分の欲求をストレートに表現できる『作家』の両方を兼ね備えた工芸士になりたいですね。
「家が呉服屋なのも関わらず、子供の頃は、あまり着物に関心がなくて…(笑)。
着物に興味を持ったのは自分の成人式の時でした。」最初は、家業を手伝うだけと思っていた櫻井さん。お父様の強い勧めと現在の師匠との出会いにより、伝統工芸士を目指そうと決意した。「京友禅と違い、ほとんどの作業工程を一人で行う名古屋友禅は、いろいろな知識を必要とするので、やりがいがありますね。」中でも、着物の構図は、花鳥などをいかにデフォルメできるかが鍵となるとのこと。「構図は、余分なものを削ぎ落とし、点と線と面で表現して初めて評価されます。個性を出しデフォルメすることは思った以上に難しい作業です。また、着物は着ることで生かされるものです。平面だけでなく立体的にも美しくなければなりません。だからもっと着物の特性を知り感性を磨かないと。そこが今の私の課題です。」名古屋友禅の魅力を侘び・寂びの渋さと語る櫻井さん。「工芸士は、皆同じ技法を使っているわけではありません。私自身も伝統技法を習得する中で独自の技法を模索し、一方職人として時代のニーズに応え、新しい着物のデザインにも挑戦していきたいです。」
名古屋友禅黒紋付展入賞作品 名古屋友禅黒紋付展入賞作品。「作品展への出展は、いろいろなアドバイスがいただけることがなにより嬉しいです(櫻井談)。」伝統工芸士称号取得試験を受けるには、最低12・3年の下積みが必要。
お問い合わせ
名古屋友禅黒紋付
協同組合連合会
名古屋市北区北久手町108
052-901-3953
名古屋友禅染めの工程 名古屋友禅染めの工程:
スケッチで構図を考え雛形を作成。型紙を起こし青花で生地に下書きをする。白く浮き出る柄の輪郭部分に真糊を置き、色抜けを防ぐため豆汁(ごじる)を塗り、陰干し後、色挿し工程へ。染料を定着させるため生地を蒸気で蒸す。更に水もと・湯のしを行い完成。※作品により若干工程は異なります。
和菓子
西谷義範さん
西谷義範さん
1970年石川県生まれ、34歳。
高校卒業後地元の和洋菓子店へ就職。3年間学んだ和洋菓子の技術を更に磨くため名古屋へ。2年間別の和菓子屋で修行を積み1992年より美濃忠の職人に。
『伝統』も最初は新しいものだったはず。今まで培われた素晴らしい『伝統』にどう“+α”して継承していくかが課題ですね。
「美濃忠」で和菓子作りに携わる西谷さんに、伝統の中でのモノづくりについて聞いてみた。「伝統の継承とは、昔からのお菓子を作り続けるのではなく、その時代にあった“美濃忠の和菓子”を作るということだと考えています。だから、守ると同時に新しい発想や素材にも率先して挑戦していき、今の時代らしさが残る和菓子を作っていきたいですね。実際、老舗故の厳しさもありますが、ここでの経験は、大きな自信と喜びになっています。」特に上生菓子は、限られた型の中で、季節や草花を抽象的に表現するため、普段から感性や創造力が大切になるとのこと。「日常生活の中でも景色など、いろいろなものに目を向けるようにしています。作る時も出来上がりがシンプルだからこそ、素材選びや味、見た目の美しさ、色を入れる筆の使い方までこだわります。」「子供の頃から家で和菓子を食べる習慣があり、モノ作りが好きでこの道に入りました。今は、難関といわれる1級技能士の資格取得に向けて勉強中です。自分の実力がどこまで通用するか是非試してみたいです。」
和菓子 江戸時代に繁盛した「桔梗屋」の伝統を受け継ぐ美濃忠の生菓子。抽象的かつ繊細な色彩が美しい。伊勢物語や新古今和歌集の一節も使う菓子の「銘」にも注目。写真右上より水温む240円、岩根つつじ240円(右下)、花菖蒲240円(左 )。上生菓子は、季節が感じられるよう2週間のサイクルで新しい商品に変わる。 (株)美濃忠 本店 (株)美濃忠 本店
名古屋市中区丸の内1‐5‐31 
052-231-3904
営業時間/9:00〜18:00(無休)
小原和紙
山田 愛さん
山田 愛さん
1979年愛知県小原村生まれ、24歳。2001年美短大卒業後、和紙工芸作家福岡小次郎氏に師事。現在はその傍ら和紙のふるさと「和紙工芸館」の研究生としても活躍中。第14回全国和紙画展入選。第54回岡崎美術展入選。さかいでArtグランプリ入選。第56回岡崎美術展観光協会賞受賞。
土産グッズの制作や作家活動、和紙づくり体験の講師などを通して、小原和紙の楽しみ方や魅力を多くの人に伝えたい。
「小原和紙工芸の魅力は、絵の具を溶いたような色とりどりの和紙の材料(コウゾやパルプなど)を、何回も重ねたり、並べたり、ぼかしたりすることで生まれる独特な色彩です。繊維と繊維が絡み合ってできた和紙の色や風合いは、絵の具や写真では表現できない美しさがあるんです。」と山田さんは語る。また、コウゾに入れるネリの濃さや作業工程によって質感が変わるのも和紙づくりの面白さのひとつだという。「小原和紙の美しい絵画や模様は、スポイトやピンセットなどの道具を用いて作られますが、手法は各工房で違います。それが工房の個性となっています。」その技法は、絵を見るだけでは推測でしか分からないため、山田さん自身入門してから知ることも多く、和紙の奥深さを痛感しているという。「美術工芸品としての歴史は60年ほどですが、小原の紙漉きは約500年の歴史があり、素晴らしい技術や作品が多く受け継がれています。和紙工芸の技術は、微妙な手加減で変化するので難しいことも多いのですが、まずは、先輩たちが培った技術を習得し、次の世代へ残していけたらなぁと思います。」
※「コウゾ」は和紙の原料となる木の名前であり、「ネリ」とは植物性の粘着剤をいいます。
和紙作りの体験教室 和紙作りの作業風景。
  和紙のふるさと・和紙工芸館
愛知県西加茂郡小原村大字永太郎216‐1
0565-65-2953
開館時間/9:00〜16:30(月曜日定休)
和紙作りの体験ができます。詳しくはお訪ねください。
  山田愛さんの工房。「工芸品は創造力とアイデアがいのち。いつでもデッサンできるように、気になる花は、写真で撮ってファイルするようにしています。今後も自分で育てた花や自然の花をモチーフにしていきたいです。(山田談)。」
 
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