ローストビーフって言えばご馳走だね。で、レフトオーバーが翌日のサンドイッチになり、そのまたレフトオーバーがハッシドビーフになるって話、よく聞くよね。我々の食卓で言えば煮魚。石もちなんか、丸ごと煮つけて食べ残しをそのままラップして冷蔵庫に入れておけば、翌日煮こごりができる。それが楽しみでわざと食べ残したりしてね。人の家にお呼ばれしてローストビーフだったら、おかわり勧められても遠慮しといたほうがいいと、どこかでだれかに教わったことがあったけど、残すことに意味があったと言うことらしい。
ともあれ今日のぼくのレシピはローストビーフ。それもいきなりのローストビーフ・サンドイッチだ。まず肉屋で牛肉……まあ黒毛和牛の脂の少ないところ、ランプあたりをかたまりで買ってくる。これに塩、胡椒をまぶして天火で焼く。これだけのことなんだけど……。ナイフで突き刺してニンニクとか豚の背脂、それからローズマリーなどを穴に挿して焼くやりかた……、あれは何のためかというと、肉が焼けてくるとこの穴から肉汁があふれ出てくる、これがグレイビーのもとになるわけで、いろいろ挿しておくと香りのいい肉汁が出てくるってわけなんだ。今日のレシピはいきなりのローストビーフ・サンドイッチ。グレイビーなんかつくらないから塩、胡椒をまぶすのみでそのまま天火にいれればいい。
焼きかたはいろいろあるけれど、肉の種類、部位により少しずつやりかたは違う。黒毛和牛のランプ……、僕はまっすぐ最初から最後まで150度。もっと低温でもっと長く焼くのがはやっているけど、それだと全体が均質すぎる。やはり適度の歯ざわりがほしい。コンベクションオーブンを使うと、焼きはじめの温度をあげなくても、表面は水気が飛んでしっかり焼きあがる。目安の時間がきたら指で押してみて、生の時とは違って押し戻してくるような手ごたえを感じたら焼き上がりさ! いつものことだけど、肉は調理にかかるとき室温。調理が終わったら、ゆっくりやすませることがたいせつ。
パンは絶対フランスパンのクープがお勧め。クリスピーな皮の部分と柔らかい中身のプロポーションが最高!両端のとんがったところを残して、わきから深々と切れ目をいれ、ムタールディジョンをたっぷりぬって、ローストビーフの厚めのスライスを捻じ込もう。ルッコラの葉を2〜3枚一緒にはさんだら、かんぺきさ! |
Hiroshi Soeda/
建築家
東京芸術大学美術学部建築科卒業、同修士取得。住宅設計を中心に活躍。パリ、ウィーンなどで歴史的建築のレストレーション・プロジェクトにも参加。最近手がけた三井不動産レジデンシャルのプロジェクトに、「パークホームズ千歳烏山 ガーデンズコート」などがある。 |